学 校 通 り 周 辺 
 古利根公園橋から春日部駅東口方面に歩いて、二つ目の信号を左折(春日部駅東口からは一つ目の信号を右折)すると粕壁小学校、春日部女子高校へと続く学校通りに入ります。まちなみ公園、春日部市教育センター等の施設と彫刻がこの通り沿いにあります。
 ユニークな作品があるのが特徴で、「風になるとき」は信号機位の高さにある鳥のモニュメントが実際に翼を広げ、羽ばたくように動いており、「おでかけ」はウサギがフロックコートを着て家から出かけていくという、童話の世界のような雰囲気を湛えています。また「旅人・樹陰」はまちなみ公園にある本物の木の下に自転車を止めてくつろいでいます。「風の門」は道路際の植え込みの中に佇んでいて、「小さい花」や「道標・鳩」は、彫刻のベンチに実際に人が腰掛けられるようになっています。
 


K「風になるとき」
    西野 康造(にしの こうぞう)
 風になるとき

素材 チタン合金、鉄、ステンレス
寸法 550×450×50cm
設置 平成7年

作者略歴


 1951−兵庫県に生まれる
 1977−京都市立芸術大学彫刻専攻科卒業
 1978−ヨーロッパ、北アフリカ、中近東、アジアの遺跡等を訪問
 1984−京都美術展新人賞受賞(京都府立文化芸術会館)
 1985−ジャパンエンパ美術コンクール優秀賞受賞(エンパ中国近代美術館)
        京都美術工芸選抜展買い上げ賞受賞(京都府立文化芸術会館)
        第4回ヘンリー・ムーア大賞展美ケ原高原美術館賞受賞(美ケ原高原美術館)
 1987−第5回ヘンリー・ムーア大賞展美ケ原高原実術館賞受賞(美ケ原高原美術館)
 1988−第11回須磨離宮公園現代彫刻展朝日新聞社賞、埼玉県立近代美術館賞受賞
 1989−せとだビエンナーレ 3人の選んだ3つのアートワーク(広島県豊田郡瀬戸田町)
        第13回現代日本彫刻展東京国立近代美術館賞受賞(宇部市野外彫刻美術館)
 1990−小田原城野外彫刻展大賞受賞
 1992−都市の指標−現代彫刻と環境−(日本橋高島屋)
        個展(スパイラルカーデン)
 1993−第7回神戸具象彫刻大賞展特別優秀賞、市民賞受賞
作者コメント
 街を歩いてみると、いろいろな所に彫刻がある。又歩いてふと見上げると、空にはばたく彫刻がある。
 ぼくの作品もこの街の仲間になった。
 春日部の空気と風のなかで、街と人々とこれらの彫刻が一つに結ばれればよいと思う。


L「おでかけ」
    藤原 吉志子(ふじわら よしこ)
   おでかけ
素材 青銅
寸法 200×170×125cm
設置 平成8年


作者略歴

 1942−東京に生まれる
 1967−東京芸術大学美術学部工芸科卒業
 1969−東京芸術大学大学院鋳金専攻科修了
 1980−グループ展(彫刻センターギャラリー,ニューヨーク)
 1981−グループ展(アヅマギャラリー,ニューヨーク)
 1982−グループ展(彫刻センターギャラリー,ニューヨーク)
 1986−第一回ロダン大賞展エミリオ・グレコ特別優秀賞受賞(美ヶ原高原美術館)
        第7回現代女流美術展(上野の森美術館)
        個展(ギャラリーせいほう)
 1987−第10回日本金属造形作家展(和光ホール)
 1988−日独合同金属造形作家展〈西ドイツ巡回)
        ドイツ・日本・信州の現代彫刻展(長野県信濃美術館)
        日本金属美術作品展′88(中国美術館,北京・上海美術象画廊)
        第2回ロダン大賞展優秀賞受賞
         第11回日本金属造形作家展(和光ホール)
 1990−第3回ロダン大賞展優秀賞受賞
        小田原城野外彫刻展(小田原)
 1991−現代日本彫刻米国巡回展(アメリカ)
        第6回神戸具象彫刻大賞展読売賞、市民賞受賞
        第14回現代日本彫刻展(宇部)
        個展 〈ARTBOX〉
 1992−個展(高島屋,大阪)
 1993−第7回神戸具象彫刻大賞展
        第21回長野市野外彫刻賞受賞
 1994−個展(日本橋高島屋)
        個展(ARTBOX)
作者コメント
 地球の裏側から春日部という場所を思い浮かべるとき、頭の中にまず丸い地球を思い描いてそこに日本列島を探します。日本列島をランドサットが通過するような感じでグルグルと俯観した、関東平野当たりでフォーカスを絞りやっと春日部に到着します。 時には効率よく地球儀を省いていきなり日本列島のイメージが浮かんでくることもありますけれど、距離が遠くなればなるほど手続きの手順が多くなります。思いを寄せるという事にはエネルギーがいるものですね。 さて、意識が地球上の上空を旅するとき、はるかアフリカの国々やボスニアを始めとする旧ユーゴの紛争、クルドやチェチェンやパレスチナの悲劇、アラブの問題、テロ、貧困、病、公害、自然破壊…世界には心の痛む事の多いのが解ります。だから私の作品はいつもそういったことに関心を向きそのようなテーマになってしまうのです。その不幸の多くは国家や民族のエゴイズムとメカニズムによるもので、突然平和な家庭や社会が破壊されてしまったりするのです。 私はウサギに平和を託しました。 心躍る出会いの為に、友情の為にさっそうと出かけようとしているウサギです。国家間の歪んだ関係やプライドを越えて、個人という人間同士の付き合いの為に精一杯正装して出かけようとしています。モチーフがウサギなのに人間同士というのもおかしいのですが、様々な文学に登場してくるウサギの社会は、人間そっくりなので、ウサギの形を借りました。 今、わたしの頭の中の地球儀の上をフロックコートのウサギが足早に急いで行くのが見えます。日本列島の春日部あたりから出てこちらに向かっているに違いありません。


M 「旅人・樹陰」
     (たびびと・こかげ)
 池田 宗弘(いけだ むねひろ)
 旅人・樹陰
素材 真鍮、コールテン鋼
寸法 160×124×76cm
設置 平成4年

作者略歴

 1939−東京に生まれる
 1963−武蔵野美術学校彫刻科卒業
        自由美術展初出品
 1964−自由美術展佳作賞受賞
 1966−自由美術協会会員となる
 1970−自由美術展平和賞受賞
 1975−第11回現代日本美術展(東京都美術館)
        第3回現代彫刻20(東京セントラル美術館)
 1977−第3回彫刻の森美術館大賞展S氏賞受賞
 1980−現代彫刻の歩み展(神奈川県民ホールギャラリー)
        今日のイメージ展(山形美術博物館)
 1983−現代日本美術の展望−立体造形4(富山県立近代美術館)
        文化庁在外芸術家研修員としてスぺインヘ行く(84年まで)
 1986−第2回東京野外現代彫刻展区長賞・大衆賞受賞
        第17回中原悌二郎優秀賞受賞
 1987−第12回現代日本彫刻展宇部市野外彫刻美術館賞受賞
 1988−第11回神戸須磨離宮公園現代彫刻展
        フェスピック神戸大会記念賀受賀
 1989−第13回現代日本彫刻展神戸須磨離宮公園賞受賞
        第20回中原悌二郎賀受賀
 1990−長野市野外彫刻賀畳賀
 1991−第6回神戸具象彫刻大井展大賞受賞
        倉吉;緑の彫刻プロムナード特別賞受賞
 1992−日本カトリック会館に作品設置
作者コメント
 人はみな人生街道の旅人。よりよい明日のために樹陰でチョット一服・・・


N「瑶韻」
 一色 邦彦(いしき くにひこ)
 瑤韻
素材 青銅
寸法 160×100×50cm
設置 平成3年

 作者略歴

 1935−茨城県に生まれる
 1960−東京芸術大学彫刻科卒業
        新制作協会展新作家賞受賞(62年迄連続受賞)
 1962−東京芸術大学専攻科修了
 1964−新制作協会会員となる
 1966−第9周高村光太郎賞受賞
 1967−第2回現代日本彫刻展福岡県文化会館賞
 1970−第2回須磨離宮公園現代彫刻展宇部市野外美術館賞受賞
        文化庁芸術家在外研究員として1年間渡欧
 1971−第6回昭和会展(日勤画廊)林武賞受賞
 1973−第1回彫刻の森美術館大賞展(彫刻の森美術館)
        第5回現代日本彫刻展
        第4回中原悌二郎賞受賞
 1975−第2回彫刻の森美術館大賞展優秀賞受賞
 1976−木内克賞受賞
        第4回長野市野外彫刻賞受賞
 1980−個展 “塑像の源流”(現代彫刻センター)
 1981−個展 “デッサンと彫刻小品”(赤坂画廊)
 1982−第2回高村光太郎大賞展美ヶ原高原美術館賞受賞
 1983−個展〈横浜)
 1984−個展(日立市郷土博物館)
 1985−筑波万博にて開催された筑波国際環境造形シンポジウムにて実行委員長となる
 1987−個展(常陽芸文センター)
 1989−個展(仙台)
作者コメント
  たゆとう音楽の調べに身を委ね、心の安らぎを得る至福のひとときへの憧れを造形することで、人類の平和への祈念とした。


O 「風の門」
 峯田 義郎(みねた よしろう)
風の門
素材 青銅
寸法 人体 80×65×65cm
     風景 50×20×20cm
設置 平成4年

 作者略歴

 1937−山形県に生まれる
 1959−白日展白日賞受賞
        日展初入選
 1960−東京教育大学芸術学科彫塑科卒業
 1961−東京教育大学芸術学科専攻科修了
 1962−白日会会員となる
 1969−日彫展日彫展賞受賞
 1971−第1回日彫展日彫展賞受賞
 1974−第6回日展特選受賞
        第9回昭和会農林武賞受賞
 1975−第3回現代彫刻20(東京セントラル美術館)
        第7同日展特選受賞
 1976−個展(日本橋高島屋)
        文化庁芸術家在外研修員として渡欧
 1980−第1回高村光太郎大賞展佳作賞受賞(彫刻の森実術館)
 1982−第2回高村光太郎大東展特別優秀賞受賞
 1983−個展〈ギャラリーせいほう)
 1984−第3回高村光太郎大賞展特別優秀賞受賞
 1986−みなとみらい21彫刻展高島屋賞、市民賞受賞(横浜)
 1987−第63回白日展内閣総理大臣賞、青田三郎賞受賞
 1988−第64回白日展中沢弘光賞受賞
 1989−第2回倉吉;緑の彫刻賞受賞
 1991−第6回神戸具象彫刻大井展特別優秀賞受賞
        個展(ギャラリーせいほう)
 1992−東北芸術工科大学教授となる
作者コメント
 遠い日の旅の記憶。大地に環ろうとしている太古の門を風が過ぎる。
 今、同じ星の地表に在って静かに呼吸を続けているそれと私の時間との差はどこにあるのかといったような古代と現代の対比を構成したイメージの形です。


P「道標・鳩(どうひょうはと)
 柳原 義達(やなぎはら よしたつ)
  道標・鳩
素材 青銅、黒御影石
寸法 @ 36.5×44×22cm
     A 43×52×28cm
     B 38.5×52×25cm
     A 33×46×23cm

設置 平成3年

作者略歴

 1910−兵庫県に生まれる
 1936−東京美術学校彫刻科卒業
 1937−国画会彫刻部同人となる
 1939−国画会脱退
        新制作派協会彫刻部設立、会員となる
 1951−サンパウロ・ビエンナーレ展
 1952−渡仏 グランド・ショミエールでエミール・オリコストに学ぶ
 1957−第4回日本国際美術展
 1958−柳原義達・辻晋堂展(神奈川県立近代美術館)
        第3回現代日本美術展優秀賞受賞
        第1回高村光太郎賞受賞
 1960−第30回ヴェネチア・ビエンナーレ展
 1966−第3回国際彫刻展(ロダン美術館)
 1967−第9回アントワープ国際彫刻展
 1970−現代日本彫刻展兵庫県立近代美術館賞
        日本大学主任教授となる
 1972−戦後日本美術の展開・具象表現の変貌展(東京国立近代美術館)
 1973−第1回長野市野外彫刻賞受賞
 1975−第2回彫刻の森美術館大賞展(彫刻の森美術館)
 1979−近代日本美術の歩み展(東京都美術館)
 1981−第9回現代日本彫刻展
 1983−柳原義達展(神奈川県立近代美術館)
 1986−第10回長谷川仁記念
 1987−柳原義達展(東京・大阪・米子・岐阜)
       『柳原義達作品集』(講談社)刊行
 1990−勲四等旭日小綬章受章
作者コメント
 大自然のなかにいる鳥が、生命の不思議さに生きているように、自分が生きている不思議さを、鳩に託して刻みたいと思い鳩を作り続け、それを「道標」と名付けた。


Q「神話U(しんわ ツー)
 加藤 豊(かとう ゆたか)
  神話U
素材 青銅
寸法 325×70×55cm
設置 平成2年

 作者略歴

 1948−山形県に生まれる
 1972−日展入選(76年まで〉
 1973−日彫展奨励賀受賞
        日彫会会友となる(78年退会)
 1977−二紀展奨励賞受賞
        二紀選抜展奨励賞受賞
 1978−二紀会同人となる
 1979−二紀展同人優秀賞受賞
 1980−二紀会会員となる
        現代美術選抜展(文化庁主催)
 1981−第16回昭和会展(日動画廊)
        二紀会会員展準賞受賞
 1982−二紀展会員賞受賞
        個展(鶴岡市藤光画廊)
 1984−第19回昭和会展(日動画廊)
 1985−ニ紀展宮本三郎賞受賞
 1986−現代美術選抜展(文化庁主催)
        二紀会委員となる
 1987−個展(日本橋三越、以後札幌、大阪等で個展を開催)
 1989−二紀展文部大臣賞受賞
作者コメント
 私はこの数年間、ギリシャ神話のゼウスとレダを作品化してきました。この作品はそのシリーズの中の1点です。
 最高の支配者、権力者の象徴であるゼウスと美しい人妻レダ、男と女の対称の原点である神話の世界の中に、私なりの表現方法で、愛と憎しみ、そして求め合うものを追求して、表現できたらと思っております。
 まだ、しばらく神話の世界を通して、男女の形態を、造形化していくつもりです。


R「小さい花」
 黒川 晃彦(くろかわ あきひこ)
小さい花
素材 青銅、アルミニウム
寸法 120×60×100cm
設置 平成3年

 作者略歴

 1946−東京に生まれる
 1971−彫刻3人展(ギャラリーオカベ)
 1972−東京芸術大学彫刻科卒業
 1974−東京芸術大学大学院修了
 1975−東京芸術大学研究生修了
        東京芸術大学彫刻科助手(77年まで)
        個展(ギャラリーオカベ)
 1977−個展(ギャラリーオカベ)
 1978−第13回昭和会展(日動画廊)優秀賞受賞
 1980−個展(アートギャラリー環、赤坂画廊)
        第1回高村光太郎大賞展優秀賞受賞
 1981−第3回たまがわ野外彫刻展
 1982−第2回高村光太郎大賞展美ヶ原高原美術館賞受賞
 1983−第11回長野市野外彫刻賞受賞
 1985−個展(ギャラリーせいほう)
 1986−みなとみらい21野外彫刻展(横浜・日本丸メモリアルパーク)協賛賞受賞
        ’86彫刻大展(ソウル・芸画廊)
       「戦後生まれの作家たち」(宮城県美術館)
        彫刻小品展(みゆき画廊)
 1987−「7人の彫刻’87」(日本橋東急)
        個展(日本橋高島屋)
 1988一第1回倉吉:緑の彫刻賞受賞
        個展(東京)
 1989−個展(名古屋松坂屋本店)
        黒川晃彦・三谷慎・藪内佐斗司展(西武池袋)
        第1回横浜彫刻展横浜美術館長賞賓受賞
作者コメント
   彫刻とその周辺の空間、そして彫刻を見る人がひとつになれるよう、少女とベンチ、小さい花の鉢で、制作しました。

その他の彫刻
「春風(しゅんぷう)
斎藤 馨(さいとう かおる)

粕壁小学校脇西側学校通り沿い
「巣立ち」 加藤 豊(かとう ゆたか)

教育センター 1階 エントランス
「薫風(かおるかぜ)
工藤 健(くどう たけし)
「無伴奏チェロ
日高 頼子(ひだか よりこ)

「晨(あした)
朝倉 響子(あさくら きょうこ)
 
いずれも 春日部市民文化会館 1階 エントランスホール

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